ザーッと音のするシャワーの音に、段々高ぶってく俺の気持ち。
時計の秒針は実に0時を示すまで後1時間もない。

愛しい恋人の大事な日までカウントダウン。
あまり記念日とか何とか気にしないけど、今日ばかりは違う。


だって、大事な人が生まれた日だから。







「流鬼、お待たせ」

携帯を弄っていれば、ひょこりと顔を覗かれ目の前に広がる俺の金髪の天使の顔にふわりと表情が緩む。
微かに通う石鹸の匂いに自分の心全てが幸せになる感じ。

こいつとのこんな付き合いも随分となるけど、恋人としてのは3回目。

初めての歳はメール。
二度目は電話。


そして今年は一緒に。


「…早かったじゃん」
そのまま相手の首に腕回しながら自分の方に引き寄せるようにしながら相手の唇に舌先を這わせてからクスりとしてから上目使いに見つめてみれば、ふっと視線を反らされる。
別にそんな反応も見慣れたものだけど、何故か今日は凄くそんな姿が可愛くてそのまま舌先を相手口腔内に滑らせ歯列をなぞる。
「……っ」
鼻から抜けるような声とその反応にズクンと下半身に熱が集まる。
コイツは本当無意識に俺にとって犯罪といってもおかしくないほどの可愛い仕草をして俺を惑わす。
「…玲…汰…」
そのまま誘うようにして低い声で囁きながら相手の頭をさらに引き寄せる。
コイツの頭が小さいなと思うのはこんな時。
俺のそんなに大きいとは言えない手にすらすっぽりと収まりそのまま舌先を絡めとるように口腔内を貪っていく。
角度を変えて互いの唾液を交換するかのようにしていけば、気付けば玲汰の顎からは呑みきれない唾液が伝い始め、俺の手を濡らしていく。

「……ふっ…」
くちゅくちゅ、と濡れた音と時計の刻まれる音。
寝室の時計だけはコツコツと刻む音が響く代物を使っているのは俺の趣味。
この一定のリズムが二人でいる時は心地よいから。


口腔内を我が物顔で柔順していき、相手の身体をシーツの上に押し倒していく。
俺なんかの力で簡単に押し倒されてくれるコイツの気持ちが俺に抱かれたいって言ってるようで。


「…流鬼」
ゆっくりと唇を離せば、そこには艶がかった色した唇で俺の事を誘う妖艶な恋人。
赤い舌先をチラつかせ、その白い肌が微かに桃色がかっている。


「…もうすぐで、大切な日、だな」
ローボードの上に設置されてる時計の針はもはやカウントダウンとなり、両手で数えられる程しか残っていない。
カチコチとその音だけが響き、静寂。


「…誕生日オメデトウ、玲汰」


この世に生まれてきて本当に嬉しい、と。
口付けを降らしながら俺は祈るように囁いた。















「っァっっ…」
気付けばお互いに生まれたままの姿。
滑るように指先が玲汰の胸元をなぞり、突起を刺激すれば敏感なコイツの身体は震えるようにして細い声を漏らす。
「……まだろくに弄ってねェのに…」
言葉に弱いのを知っているからこそまるで言葉でいたぶるようにしながらそのぷくん、と胸の上で主張しているソレを軽く指先で弾けば、それだけで俺の腹に当たってる玲汰自身が膨らみをましていってるのがわかる。

「…そういや、久々だよな」
自分もいくらか興奮しているが、相手のそんな反応がいとおしくてククっと喉奥を鳴らしながら指先で相手の身体を丹念にその感触を味わう。

「今日は――…特別な日だし、せっかくだからケーキ食おうぜ?」
ふと戒からもらったケーキを思い出し、ベットの上で感じてるせいで動きが鈍い玲汰を置いてキッチンにとりにいく。
ふたをあければ、中からはこれまた苺がたっぷり乗ったショートケーキ。

「…アイツ、俺が苺嫌いなの知っててこれか」


でも、生クリームたっぷりのソレは、まさに理想。
甘いもん喰ってる時のアイツは本当に可愛いくて最高。


寝室に戻ればシーツの中に埋もれるようにして隠れてる玲汰の姿に軽く口端があがる。
「玲―ちゃん」
ケーキ片手にそのシーツを剥がせば、さっき中途半端に刺激をしておいた俺のお姫様の欲に潤んで最高にキラキラしている瞳で睨まれる。


「……中途半端で、放置すんな」
普段男らしさを前回にアピールしてるだけに、そんな言い分は本当に俺の下半身にくると言うもので、めちゃくちゃにしてやりたい衝動に駆られる。


「や、戒の作ったケーキもってきてやったんだって」
運動前に糖分摂取しとこーかな、とか思って、と言って相手耳元で囁き相手を引き起こせば、俺も横に。

「…フォークも何もなしでどーやってくうんだべ」
文句をいいつつもその表情はケーキを食いたくて仕方がない様子に笑みが零れる。
「…んなのこーすんに決まってんじゃん」
指先でクリームを掬い、玲汰の口元にもっていけば、素直にそのクリームを舐め取るように舌先が差し出される。
「……相変わらず変態、だし」
言いながらも早く次ぎ、と催促され俺の手はどんどん生クリームとスポンジ塗れになっていく。
そのたびに玲汰の舌先が丹念に全てを舐めていってくれて。
それの繰り返し。
「…苺もくいてえ」
言われるがままに苺を口元にもっていき、口腔内に収めれば、そのまま指先も一緒に含まれ、その舌先の動きに俺は視覚と聴覚をやられる。
くちゅくちゅと響く音と舌先の動き。
「…流鬼…」
そんな玲汰の動きに見とれていれば、おもむろに名前を囁かれふと顔を上げた瞬間に相手の視線と絡み、その深い深い瞳に吸い込まれそうになる。
「れい…っっ」
名前を囁こうとした瞬間に相手からのふいな口付け。
口付けそのものは嬉しい事実だが、それと同時に玲汰の口から甘いクリームと大嫌いな苺味。
「…おしおきされてェ?」
自分が苺が嫌いなのを知っててやると言う事は、そう言う事。
とん、と相手の身体を後ろに倒すようにして俺は相手の上に乗っかった。















「玲汰、さっきのはおしおき、だよな?」
俺苺くえねえって知ってんじゃん、と言いながら相手脚を開かせ、身体を滑らせる。
口付けだけで反応を微かに示していたソコはゆるく勃ちあがり、硬さを生じていた。
口だけは男でも、コイツの身体はこの3年間の間に俺に慣らされ敏感すぎるまでになっている。
きっとさっき苺と一緒に俺の指を舐めてるだけでも興奮していたはず。
「…苺は責任もって、玲汰が全部食えよ?」
まずはクリームを手にとり、後孔にゆっくりと指先を忍ばせれば、俺の言葉の真意を悟った玲汰の身体がひく、っと震える。
「玲汰に拒否権ねーよな?」
クスクスしながら指先をつぷんと中に差し入れていく。
いつものローションと違うそのクリームといったものの感覚に玲汰の身体に緊張が走る。
くちゅ、と音をたてて内壁を擦り始めれば、声を殺すようにして我慢してる恋人の姿に、その口から甘い声を出させたくなり、中の上の方を狙い指先を曲げる。
「ひゃっっ…ァっっ」
玲汰の弱い処なんて熟知してる。
そこを丹念に刺激しながら中を慣らしていけば、玲汰の熱い体温でクリームが溶け始めたのか、くちゅくちゅと卑猥な音がソコから生じはじめる。
いつもより濡れた音に、羞恥を煽られるのか玲汰がイヤイヤと首を横にふるのが見えるがそんな仕草一つすら俺にとっては興奮材料でしかない。


「…解れるの大分早くなったよな」
くちゅくちゅと音をたてつつ、すでに指を3本もくわえ込んでるソコに、昔だったらここに至るまで随分時間を要したよな、とか。
俺好みの身体に育ち、今じゃこの身体に俺すらも虜。
「ばっっ…ァっっ」
悪態つこうにも俺の指が内壁を擦るたびに玲汰は口から漏れる吐息に翻弄され、すでに言葉の意味を失っている。
必死で声が漏れまいと我慢する姿はいつにたっても変わらず、むしろ初々しさを含み非常に可愛いもの。
「……じゃあ、今度は苺をたっぷり食ってもらおう、か」
「……ェ?」
言いながら指を一気に引き抜き、そばに置いてあったケーキから苺を一掴み。
急に中にあった指がなくなり、その喪失感からひくつく玲汰の蕾はクリームの白い液体に塗れ、卑猥そのもの。
そこに迷うことなく苺をつぷりと。
「ァっっ…ばっっ…!!」
苺のツブツブの感触に玲汰の内壁が収縮するも、すでに俺の指先ごとソコは苺一個を丸々と飲み込み出来るだけ奥まで中に送り込む。
「簡単に喰えたな?」
クスクスと笑みを零しさらに苺を取ればつぷつぷと音をたてて玲汰の下の口に食わせていく。
「っ…ァっっ…」
その異物感にすら玲汰の内壁は感じてしまっているのかふるふると身体がふるえ、甘い嬌声が室内に響く。
「…もう苺丸ごとはねーけど」
まだまだ喰えそうなソコに、俺はスポンジの中に入ってる苺すら指先で探し当て取り出しては玲汰の中に食わせていく。
苺の形が違うものを飲み込んでいくたびに玲汰の内壁は収縮を繰り返し、一緒に中に入る俺の指先すらもきつく咥えこんでいく。
「っ…流鬼、、も…無理っ」
ケーキの苺全てを使い切った頃にふと玲汰から弱弱しい声。
全部でいくつ突っ込んだとか覚えてないくらい、玲汰の下腹部がうっすらと膨らみ、まるで妊娠しているかのような錯覚を覚える。
「…無理とか言って、全部喰えたじゃん」
原型をとどめていないスポンジとクリームだけになった残骸を顎で示しながら相手の薄い唇に口付けを落とす。
そのまま片脚をひょいと持ち上げ、そんな玲汰の痴態にすっかり硬さを覚えて先走りすらしてしまってる自身を玲汰の後孔に宛がう。


「…流鬼、、まさか…と思うけど」
「…ピンポーン」
顔の引きつってる恋人に俺は極上の笑顔を向けてそのまま一気に腰を進めた。















「っっ!!!!!んんっっ」
「っ…」
一気に自身を最奥まで進めれば、中にある苺のせいでいつもと全然違う感覚。
そして俺自身と玲汰の内壁に押しつぶされ、苺の形が変わっていくたびに、結合部から薄い苺ミルクが出来上がりあふれ出てくる。
「…すっげェ」
その卑猥な箇所を玲汰にも見せたくて、両足を肩に担ぎ一気に持ち上げる。
「っァっ!」
体勢が変わる事で当たる箇所が変わり、玲汰の口から甲高い声。
その玲汰にとっては苦しい体勢でも、ゆっくりと自身をギリギリまで引き抜き、最奥まで今度はすばやく突き上げれば、玲汰のソコも締まる。
「…玲汰、すげえ、玲汰の此処、きもち」
ぐぷぐぷと音をさせて動くたびにジュースがあふれ出てくるのに俺自身も興奮しますます膨張していく。
「ァっっ…デカく、すん…なっ」
そんな俺の反応にすら内壁がしっかり感じてそんな可愛い言葉。
まるで煽ってるとしかいえないそのセリフに速度を上げて相手を絶頂に導くように腰を打ち付ける。
「ひゃっっ…ァっっ…」
玲汰自身からも突き上げるたびに蜜がポタポタと零れ落ち玲汰の腹を濡らしていく。
俺からも玲汰からも繋がっている部分と蜜をはしたなく零している玲汰自身が見え、羞恥から顔を反らそうとする玲汰の顎を掴み、見ろ、と命令する。
それだけで内壁がきつく締まり、内股に力が入るコイツは自称SのMだな、と。
玲汰自身から蜜が零れ落ちるたびに身体のあちこちに飛び散る生クリームと交じり合い、ソコが卑猥に光っていく。
「ァっっ…駄目っ…ァ―――」
玲汰のいい所を突き上げながら俺も一気に玲汰の中に欲を注ぎ込んだ。















「……幸せそうな顔して」
ふと夜明け前に目が覚めて横を見れば愛しい恋人。
さっきまで俺の事散々変態的に攻めてたくせに、こうしてみれば俺なんかよりよっぽど可愛いと思う。


大切な日は大切な人と。


そんな簡単で単純な事を、この恋人に教えられた。



「……好きだぜ、流鬼」



一緒にいるだけでそれが最高のプレゼント。
それだけでいい。




まるで空気のように一緒に溶け込んでいけたなら。




終わり。




〜あとがき〜

はい、玲汰さんのBDから一ヶ月遅れました。
書きかけ放置でした。
どうしても小説がかけない時ってあるんですね、とこの一ヶ月間書くのを諦めておりました。書きたくなった時にでも一番最初に流玲を選んで、流玲の大切な日を頑張ってみました。
流玲はわしにとって同人復活の大切なカップル。
これからも幸せに二人でいちゃこいて下さい!!!!!!!
2007 玲汰BD

葉月透夜拝