「……コレ何」


確かにさっきまで誕生日の祝いと称して何故か葵んちに集合、お酒、どんちゃん騒ぎときたもんだったけど、明らかに目の前にいるのは酔っ払いとは聞こえがいい位なまでにデキあがっちゃってる恋人の姿。

酒に強いわけじゃないから加減しろって言うのはさすがにこういう場では無理だったのか、幼馴染の勧める酒をカパカパ煽って、案の定ぐでぐで。
その白い肌を真っ赤に染め上げかなりの上機嫌だったな、と思ってたらちょっと目を離したすきにベットの上で御臨終。
ギター隊の二人ははしっこでイチャイチャし始めてそのまま床で寝てるし、戒はとっくのとうにご帰宅。

0時を過ぎれば玲汰の誕生日だからと言って酒もそんなに口にしてない自分だけが今まともなんじゃないか、と。


「…おーい、玲汰…」

とりあえずこんな他人の家ではナニかができるわけでもないし、とりあえず声をかけてユサユサしてみる。

酔ったせいか赤くなってる胸元だとか、うっすら汗ばんでる身体だとか、無防備で無邪気な寝顔とか、とにかく俺にとっては犯罪級なまでに可愛くてたまらない。
これをこらえるとか結構なモンだぜ、なんて自分で自分を褒めたい。
時折ん、とか吐息が聞こえるのがよく耐えてると思うも、とにかく今は早く日付が変わる前に自分の家に戻りたくて小さく揺らす。
一応宿主が寝てるから、起こしてしまってはいけないとわかっている。

ましてや麗も寝てるからここで邪魔したら俺の明日がない。


「ん…っ…」

揺らしてもなかなか起きず、洩れるのは吐息のみ。
そして寝返りをうつようにしてその顔が全面に現れれば普段は黒眼がちなその瞳も閉じられていて、なんだかいつも以上に幼い。

シャツが乱れて肌が露出して、見えてるのがたまらない。


「…玲汰…マジやばいから」

そんな玲汰の姿に俺がヤバいというものであり、ユサユサと揺らす力を強くする。
俺の理性が崩れる前に、何とかしなければ俺がもたない。
置いて帰るわけにもいかない。



「…ん…る、き…?」


何?と言うその目は明らかに酔っていて、潤みがちな上に声が掠れてる。

無意識に手で顔を擦りながら首傾げるとかありえねえ。
寝起きのこいつはいつもこんなもんと言えばこんなもんかも知れないが、とにかく潤んでるとかちょっと髪の毛が寝ぐせで立ってるとか無防備すぎる位に可愛くてごくんと、喉が鳴る。


「……ウチ帰ろうぜ?」

このままじゃイチャつけねえし、なんて本音を言いながら相手の身体を起すために腕をそっと頭の後ろに差し入れる。
酒が入ってしまってるときはこいつは本当にすぐ寝ちまうし、いつもなら考えられない程甘えたになるから。

今は甘えてこないけど、このまま甘えられたら俺の理性が持たない。


「…ん…るき…」


まだ眠い、と言う相手のセリフとともに何故かちゅ、と口づけられる。
唇をかするかのような軽い何気ない行動だろうけども、玲汰から自ら口づけてくるなんてめったに無い事だけに一瞬目を見張る。

眠いからヤダ、なんて言って首元にいやいやと頭を押しつけられてしまうその行動に、相手の可愛さを感じてしまいクラクラしてしまう。
その俺よりいつもは体温が低いのに、何気に温かいというか、熱い。
室内は十分に空調が行き届いてる他人の部屋ゆえに、熱いのが自分なのか玲汰なのか。



「…麗たちだろ?いるの」


だったら構わねえ、と囁かれれば理性さんさようなら、こんにちは欲望さん。


「……言った言葉に後悔すんなよ」


そのまま玲汰の身体がシーツに縫い止められるのが先か、俺の言葉が先か。
再び玲汰の身体がシーツに沈み、その薄い唇を捕らえた。









「んっ…ふっ…」




ぴちゃぴちゃと音をたてて玲汰の口腔内を舌先で貪るようにして動かし、舌先を絡めていく。

酒のせいで熱くなってる舌先が酷く俺にセックスアピールを示し、その熱さをさらに感じたくて長い長い口づけ。
歯列をなぞり、歯裏を舐めてから舌先を絡め、上顎をなぞるようにしていけば上がる互いの吐息。


さっきまで静寂が支配していた室内に濡れた水音だけが響いていき、その音にますます興奮していく。
玲汰の口端からは飲み込みきれない唾液が溢れ、それと共に小さな嬌声が漏れ始めていく。
すぐ下の床でメンバーが寝てると言う事もあり、必至に耐えてるのだろうけど、その声は如実に漏れていき酷く男の性を擽る。


「んんっ…る、き…」


その舌ったらずな名前の呼び方だとか、潤んだ瞳だとか、互いの唾液で濡れた唇だとか。
何よりもその白い肌が桃色に染まっていく様が酷く官能的。
うっすらと開かれた唇の間から見える舌先が赤く、まるで美味しい柘榴のように卑猥な色に輝いている。


「玲汰…」
指先を玲汰の腹から上へと素肌へと這わせればぴくりと身体が跳ね、玲汰の背筋が伸びる。
やわやわとその感触を味わうようにしながら胸元を揉みしだき、そんな行動の中でも指先は胸の突起を捜していく。


「ぁっ…流、鬼…っ」

声がだいぶ切羽詰まってるのか、首を左右に振られて力なく俺をどかそうとするも、それが本気なのか、それとも本気じゃないのかと言った具合に曖昧なものでありますます俺を煽るものと変化する。は
玲汰の力だったら俺なんて吹っ飛ばせるはずなのに、それをあえてしないと言うは肯定の意味を持つと判断する。

今だってイヤと言いながらも胸の突起は自分が触れるのを待ちわびてるかのように硬く立ち上がっている。


「っ…んんっ…」


両手で口を塞ぎ、必至で声が漏れないようにしつつ感じてしまってるのが酷く可愛い。
本当は声を聞きたいが、今日はメンバーもいる事もあるからこのまま玲汰の好きにさせてやる。


「……ココ、触ってほしかったわけ?」


クク、と喉奥を鳴らすようにして耳元で囁けば返事はない。
二本の指を使い器用に指先で捏ねるようにしてその突起を潰したり撫でたりして刺激を与えていけば、洩れる吐息に交る甘い声。
少しだけいつもより高めで掠れた声はとても可愛いもので、ますますそこを弄っていきたい感情に陥る。
服は脱がせてないから、そのもどかしさが玲汰にとってもあるらしく、のけぞるたびにその白い喉元が目の前にちらついていく。


「っ…あっっ…」
暑い、、と言われて玲汰の身体がしっとりと汗ばみはじめてるのに気づく。
同じ位自分も暑くなってきてるも、玲汰のが酔ってると言うオプションもあるせいか、素直に脱がせて、なんて可愛いオネダリ。


「……良い訳?」


一応他の人もいるわけだから、玲汰にちゃんと聞くようにして耳元で囁く。
耳朶を甘噛みしながら囁いてそのまま舌先を耳穴にねじ込みぴちゃり、と音を立てる。
実は耳も立派な性感帯なのをしってるが故にそのまま執拗に攻めていけば、ますます玲汰の身体が震えていき、まるで陸に揚げられた魚のようにピクピクと跳ねる腰。
触れていないけど、きっと下半身はすげエ事になってるに違いないはず。


「…イイ、から…」

早く、なんて言われて内心吃驚しつつも手早く上着をぬがし、そのままベルトに手をかけてやる。
腰までずりさげられた玲汰特有の腰履きスタイルのそこは、少しだけずらずだけですぐにそのきれいな脚が現われる。
ここまで乱れてしまってむしろ裸に近い恰好してる玲汰がいては、きっと下の二人が起きてしまってももはや反論の余地もない。



「……じゃあ、もう乱れちまえよ」


その言葉を合図にして俺は玲汰の触れていなかった下腹部に指先を這わせる。


「っ…んく…」

触れればそこはしっかりと勃ちあがり初めていて、玲汰がさっきまでの愛撫だけで十分に反応を示し、さらに快楽におぼれ初めていたのがわかる。
ひくひくと震えて上下する玲汰の胸元。
それと同時にぷっくりと立ち上がった胸の突起が視界にチラチラと映り、卑猥に感じる。



「ぁっ…んんっ…」


口を閉じていても漏れてくる玲汰の声は実に官能的で我慢してるが故のその鼻から抜けるかのような声色にドクンと俺の下半身に熱が集まり、一気に身体の熱が上がる。





ふと時計を見れば23時59分の文字。

デジタルの時計から洩れる光からもうすぐ玲汰が誕生した時間が示されていて。




「…玲汰、誕生日、もうすぐ」


今から繋がるのは玲汰の身体に酷く負担をかけるし、そんな事を俺ができるわけもないから。
キスして誕生日迎えねえ?なんて。
柄にもなく結構ロマンチストな可愛い恋人へ小さく囁く。



Happy birthday、と。

軽く口づけるはずが、舌先をすぐに絡められて。



時刻は2008年5月27日0時0分。


その文字がうっすら開いた瞳に映り。



俺の可愛い天使がこの世に誕生した記念すべき一日が始まった。







続く。




Happy Birthday玲汰さん。
ここから先は裏になるので続きを裏ページにもっていきます。
と言うか話が長くなってしまうみたいなので一度切るが正しい。
今月中には完結させまーす!じゃないと今度は麗の誕生日がきちゃうから!
今年も可愛い可愛い玲汰さんでわしを萌え殺して下さい。
本気でこの子可愛いんだもん…。流鬼とお幸せに!
20070527 葉月透夜拝。