それは唐突もない麗の一言から始まった。






「やってみよう」






場所は玲汰の家。


珍しく流鬼も仕事にいっていて、葵さんも仕事と言うので、幼馴染が遊びにきた。


最近では至極珍しい事で。


でもいつもと変わらない空気が二人の間にはあって、ゲームしたり適当にその日はすごしていた。


日も傾き始め、ぼちぼちと部屋の中に注ぎ込む太陽の色も変わってきていた。


テレビだけが忙しなく動いていて、二人はソファーにくつろぎながらジュースをお互いに飲んでいた。


そんな時の出来事。



「ねえ、玲汰〜」


「んー?んだよ」


そう、何気なく聞かれた。


「玲汰って流鬼にフェラとかしてあげてる?」


「・・・・・・ぶっっ」


言われた瞬間飲んでたライフガードを噴出した。


一体何を言ってるんですか、この幼馴染は・・・。


「んだよ、その反応は」


「・・・おめぇ、いきなり何だ、それ」


全然話見えねえし、何で俺にんな事聞くんだよ、と目をぱちくりさせる玲汰。


それもそのはず。


昔はよくその手のY談もしたりもした。


しかし、お互いが男と、それもメンバーとそう言う関係になってからは全然しなくなったからだ。


それなのに。


まさか麗の口からフェラなんて単語が出てくるとは。


「・・・何、麗はしねえの?」


仕方なく麗が話しやすいように誘導してあげる。


麗は変なトコでもマイペースだから、こう話しやすい環境を作ってあげないとなかなかしゃべれない。


それは幼馴染として一緒にすごしてきたからわかる事。


「んー・・・・」


一生懸命言葉を捜そうとする麗の言葉をさえぎる事なく玲汰はじっと麗のことを見つめる。


「前ね、葵さんがあまりにしてほしそうだったからしてあげたんだよ。でもイマイチだったみたいでね」


でもね、俺としてはしてあげたいんだよ!!!とあり得ない勢いで言われる。


「で・・・・何」


なんとなく嫌な予感がする。


こんな時のこいつはとんでもない事言い出すのが分ってる。


「前にね、流鬼が玲汰はめちゃくちゃ巧い、って葵さんに言ってたの聞いてね」


・ ・・だから何ですか、って言うか何あいつは言ってんだよ。


いやいや、この展開はちょっとしなくてもヤバい気がする。


この後に続く言葉はこいつのことだ。


想像しなくてもわかるってもんで。


「だから玲汰に教えてもらいたいな〜って」


「却下。ありえねえ」


即答。


「ぇー!!いいじゃん!減るもんじゃないし!」


「いやいやいや、減る減らないって問題じゃねえし!」


「大丈夫だって!」


どこからその自信が出てくるのか身を乗りだす麗。


「絶っっってィありえねえ!!流鬼にバレたら俺が大変じゃねーかよ!?」


「大丈夫!そこは俺が適当に!!!」


一生のお願いだから!俺の為だと思って!と言われて気がつけば押し倒されてるような状態になってて。


視界は天井と麗の顔。


俺は昔っからこいつのこう言う顔に弱かった。









「んっ・・・・・」


ぴちゃ、っと部屋に響く濡れた音。


結局麗の熱意と強引さに負けて寝室に連れ込まれ気づけば開いた脚の間には麗の身体。


一生懸命俺のを咥えて愛撫してくれている。


その一生懸命な姿はそれはそれでくる。


けど・・・


「ん・・・玲汰・・・?」


何かが足りない、のだ。


「やっぱり俺下手・・・?」


全然反応しない俺自身。


それを握ったまま上目遣いで見られれば、そっちの方がドキっとしそうで。


「下手ってーか・・・」


気持ちいいトコ全然あたってねえんだよなあ・・・と。


「麗―・・・ちょっと代われ」


どう教えたらいいか分らず手っ取り早く教えるには、と。


逆に麗の事を押し倒した。






「玲汰・・・??」


流鬼にバレたらヤバいんだろ?とちょっと焦る麗。


「流鬼には内緒な」


このさい開き直ってあっさりと。


「麗は葵さんにもあんまされねえの?」


麗の脚の間にぺたりと座り首をかしげて聞いてみる。


「されるけど・・・気持ちよくなっちゃって」


葵さんの事だからきっとめちゃくちゃこの幼馴染の事を甘やかしてるんだな、と。


かすかに頬を赤らめて答える麗をみてふっと思う。


「今日は葵さんじゃねえんだし、しっかり覚えとけよ」


特別大サービスだべ、と。


言いながらふっと身体を屈めて麗のパンツのボタンに歯をかける。


流鬼はよく手を使わせてくれないから、そんな事も凄く自然な流れで。


案の定びっくりして動けないでいる麗。


「ん・・・」


ひとつひとつゆっくりと見せ付けるようにはずしてく。


時折吐息が漏れ、二人を包む空気が甘いものとなる。


「葵さんもきっと喜ぶんじゃね?」


こうしてやったら、とにぃっとして見上げる。


そうしてる間にも麗の前はすっかり寛げ、布越しにちゅ、っとソレに口付ける。


「っ・・・」


はむはむとそれを甘噛みする。


直接じゃなく、布越しだからダイレクトではなくむずがゆいはず。


頭上からは普段聞きなれない幼馴染の篭った吐息が聞こえる。


「れ・・・いた・・・」


「もどかし・・・?」


今までみた事のない麗の反応に思わずくす、っと笑みが漏れる。


くい、っと下着を歯でずらせば、微かに反応し始めてる麗自身。


「あれだけで感じちまった?」


めちゃくちゃ感度良すぎだべ、と。


「ただ感じてねえで、覚えろよ?」


ちゅ、っと先端に口付ける。


ん、と息を飲むのを感じ取り、にや、っとする。


「感じんのは、ココ、な?」


そのままつーっと裏筋を舌先でなぞるように唇を動かす。


ただ気持ちよくなるだけじゃ、このおかしな光景は無駄なもんになる。


開き直ってしまえば、可愛い幼馴染の反応も見れて楽しい。


根元からゆっくりと舌先を先端に向け動かし、さっきまでは全然使っていなかった指先で双袋を揉みしだく。


そのままくちゅりと先端に軽く吸い付き軽く上下させる。


「ん・・・っちょ・・・」


これだけの刺激でも十分に感じてきてるのかむくむくと堅さを持ち始めている麗自身。


「ちゃんと、覚えろよー?」


上目で見つめながらもちろん口に咥えたままそうしゃべればぴくんと反応する麗。


流鬼は俺の上目遣いがすっげえ好きって言ってたし、覚えておいて損はねえべ、と。


そしてそのまま一気に喉奥までくわえ込み、ぷちゅぷちゅと音をわざとたてて顎を上下させる。


もちろん手でも根元から双袋を刺激して、全体を余す所なく愛撫していく。


そのたびにひくつく麗の内腿。


「っっ・・・」


次第に麗の手が頭を引き寄せるように絡みついてくる。


「きもひいべ・・・?」


喉奥できつく締め付ければ、口腔内に広がる独特の味。


「・・・溢れてきたべ」


くすくすとしながら見上げれば、バツが悪そうな幼馴染の顔。


「も・・・ヤバ・・・から・・・」


わかったし、離せ、と言う麗の言葉を聞きながらも、んなトコで辞めるわけねえべ?と。


先端にかり、っと歯をたてながらキツく自身を吸った。












「・・・・・ん・・・」


途端に口腔内に広がったそれ。


迷う事なく全てを飲み干し、まだ震える自身から全て絞りとるようにちゅくちゅくと吸う。


そしてゆっくりと唇を離し見上げればこれまた真っ赤になった麗の顔。


とどめのように口端から溢れた蜜を舐めながら指先でぬぐい、それを口に咥えて見せ付けるように舐めればまいりましたと。


「分ったー?」


「・・・玲汰、すげえよ・・・」


赤い顔を覆うように両手で顔を隠す麗。


そしてしてやったり、の玲汰。


「流鬼、いっつもあんなんされてんだ・・・」


溜息交じりに言われてもどう反応していいんだか、困るってもの。


二人の間に微妙な空気が流れる。


そんな時だった。


考えられない声がしたのは。









「・・・えらい仕込み様やなあ、流鬼も」


「だろ?玲汰のマジ気持ちいいし、ぶっとぶぜ?」


なんなら試してみる?葵さんも、なんて明るい声。












「ぇ・・・???」


「・・・ち、、、ハメたべ、流鬼と葵さん」


わけがわからずきょとんとしてる麗と、そんな麗のむき出しの前をしまいながら舌打ちかます玲汰。


「とりあえず、どんなにせよ、これはおしおき決定だよな〜?玲汰」


あり得ないくらい嬉しそうな流鬼の笑顔と。


「麗も、玲汰にイカされてしょうもない奴やし」


そんな事いいながら、その顔は笑ってない葵。






その夜は玲汰の家から二組の濡れた声が絶えずに流れてきたとかこなかったとか。









END