甘い甘いふわふわした匂い。

甘いものがとくに好きってわけでもないけど、今日だけは特別。

好きな人にチョコを贈る素晴らしい日。

仕事で疲れて帰ってくるだろう、可愛い可愛い恋人のために。













「ただいま〜……って何やこの甘ったるい匂い」

台所で支度をしていれば、怪訝そうな顔して入ってくる恋人。

もちろん俺は専用で置いてあるエプロンしてひょいっと。

「おかえり〜」

お風呂沸いてるから先に入っちゃいな〜?と言っておかえりなさいのちゅう。

玄関までお迎えいかなかったから。

ちゅ、っと頭引き寄せて唇を舐めれば、ただいまって。

お互いの音楽活動の事もあるから、そんなに頻繁に会えるわけじゃないし、気づいたらよくちゅうするようになってて。

「ほな、先にあったまってくるわ」

戒くんもどーせ来るんやろ?なんて言われて。

軽い身のこなしで消えてくみー君の後姿。

もちろん支度がもう少しで終わるので、お邪魔する気満々ですけどね?なんて。

るんるん鼻歌歌いながら上機嫌で支度をした。













「みー君〜?中入るよ?」

がらっと中に入ればすっかり浴槽の中でくつろぐ姿。

背が高いから少しもてあましてる長い脚がちらちらとその白乳色の温泉の元の入った湯から見えてちょっとしたエロさ。

「今日は風呂ん中でエッチな事せぇへんで」

戒くんの飯食いたいし、あかん、なんて先に言われてしまう。

「はいはい、わかってますー」

そう言えば、この前も結局風呂でエッチしちゃって、しばらくご飯が食べれなくなっちゃったっけ。

別にこの人も人並み以上に体力あるんだけど、俺との身体の相性がいいのか凄い終わったあとはぐったりしてるのが多くてね。

そのぐったりしてるのがまた妙な色気を振りまいてるからまた我慢できなくてやっちゃう、みたいなパターンが続いてた。

「みー君、髪の毛洗った?」

湯の中でくつろぐこの人をみて見てみれば、髪の毛は妙に濡れてないし。

「まだやで〜。戒くん洗ってくれんやろ?」

にこにこしてさも俺が洗うのは当たり前って感じ。

はいはい、とにこにこしてれば、座ってる俺の脚の間に湯から出てきて座る。

「やっぱ床は冷たいな〜」

戒くんにくっついとこ、なんていってまた、俺の大事なトコにぐりぐり身体摺り寄せるトコとか本当確信犯なんじゃないですか。

「ちょっと、あんまり俺のソコ刺激しないでよ〜?」

苦笑いしながらじゃーっと。

上向いてるから、目をつむった綺麗な顔が見え、それを見つめながらいつものように髪の毛を洗っていく。

かなり無茶ばっかりしてるから痛んでるけど、日ごろのお手入れのお陰でか、そんなには酷くない。

するすると指から抜けてく髪の毛を丁寧に洗いながら頭皮もマッサージ。

ゆるゆると指の腹でマッサージをしていけば、時折いいのか息を呑む声。

「……みー君何気に頭弱いよね」

いつも結構色っぽい声出すし、なんて言えばげし、っと脚の脛に肘鉄が一発。

「いたっっ!!!」

もちろん頭がそこにあるから大げさな反応は出来ないけど、結構いたい。

痛いけど動けない。

「戒くんの触り方がやらしぃねん」

ぱち、っと目を開けわざわざいーっと。

そのピアスに占領されてる唇がゆがんだ。













風呂でのエッチなし、そんな恋人の台詞を忠実に守り食卓に出れば、そこにはいつもと違った光景。

「……戒くん、これナニ」

テーブルに広がる色とりどりのフルーツにパン。

そして中央にある鍋。

「えーっと、チョコレートフォンデュー」

これね、ちゃんとレシピとかあるんだよ!今はと言ってみれば、案の定目が点。

そりゃそーだよね。

メインがチョコだもん。

「ぁー……アレか、バレンタイン!」

手をぽん、っと叩いて今更。

「そう言う事」

ちゃんと他にもご飯用意してあるけど、とりあえずこれなら二人で食べれるでしょ?と言って無理やり座らせる。

「うわー…これ、自分でチョコバナナとか作って食うってやつやんな?」

エラいカロリーやん、なんて言いながらもこう言う日はちゃんと食べてくれるのが嬉しい。

「大丈夫だよ〜」

後でたっぷり激しい運動すればいいんだし、なんて耳元で囁けばアホか、なんて言いながらも耳まで真っ赤な俺の可愛い彼女。

そう、彼女。

チョコなんて日本だけが女の子から男の子にあげるしきたりなんだし、俺らみたいなのがあってもいいんじゃないかな、って。

「……ほな、俺から戒くんに食べさせたるわ」

はい、あーんな?なんて滅多に見れない恋人の首かしげにちょっとときめきながらゴクンとそれを飲み込んだ。






「……戒くんコレ」

お酒入っとる?と言われて。

もちろんワイン入ってるよ、とにこにこ。

お酒をやめてるみー君は最近結構お酒に弱い。

「身体あっつくなってきたわ」

コレくらいで酔うわけあらへんけどな〜、、なんて言いながら上着をぱたぱた。

や、実は薬盛ってます、なーんてね。

雅は知らないトコだけど。

「戒くんにまた今年もチョコもろたな」

言いながらふにゃふにゃと肩に寄りかかってくる雅。

薬と酒が効いてきてるかな?と、俺が判断する材料はそろいすぎてて。

「戒くん、ちゅーしよや、ちゅう」

半ば押し倒されるようにされながら口付けられる。

熱い雅の唇と舌先。

それと冷たいピアス。

「んっっ……ふっ…」

くちゅくちゅと音を響かせ深まる口付け。

頭を引き寄せるように片手でしっかり固定しつつ、もう片方の手で雅の身体をまさぐる。

俺の手の方が今は冷たいのか、触れる所からびくびくと震えて漏れる吐息。

「雅、エッチしよっか」

ゆっくりと唇を離してにっこりと。

もちろん雅に拒否権なんてないし、第一こんなになっちゃってるから拒否なんてするわけないし。

「エッチしたい」

気持ちいい事には素直な雅。

するっと腰骨をなぞるようにしてから中に指を差し入れれば、すでに硬くなり始めてる雅のソレ。

「上着は自分で脱げるよね?」

下から見上げながらくすくすしてれば、もちろんと言わんばかりに上着を脱ぎ始める。

俺はその間に下を弄ってやる。

服が邪魔になってきて下着ごと一気にスエットのズボンを下ろせば、ぴん、っと勃ちあがってるソレ。

「相変わらず元気だね、雅のコレ」

ぱちん、と指先で弾けばひくりと震えて、俺の身体をきつく挟む雅の内股。

「ぁっっ…」

俺様な雅も実は結構Mなんだよね〜と。

既に溢れ始めてる蜜を指先に掬って、そのまま後ろへ。

入り口に宛がえば、そこはヒクヒクとしてる。

見上げれば、自分で胸を弄り始めてる雅の姿。

「もー、エッチだなあ、自分で弄って」

多分俺との前にもこういう経験があったのか、かなり最初から淫乱な身体だったけど。

最近はそれに磨きがかかったんじゃないの?みたいな。

俺の上で自分の胸を弄って、悦さそうな顔しちゃって。

「挿れるよ?」

一応声かけてからつぷんと。

ゆっくりと中を解しながら根元まで。

「んん……」

ずぶずぶと飲み込まれて行く俺の指。

くちゅくちゅと音をさせて内壁を擦り、増やしていく。

ちょくちょくやってるから、すっかり慣れて今では後ろだけでも十分にいけちゃう事も知ってる。

「ぁっっ……あか、、ん」

雅のいいトコを狙って人差し指で擦りながら、中指で中を拡げる。

バラバラと動かしていけば、雅の切羽詰った声。

そしてぽたぽたと垂れる雅の甘い蜜。

そんな雅を見てるだけで俺も結構興奮してくる。

「ぁー…雅さっきあんまりチョコ食べてないよね?」

今食べさせてあげる〜vと片手でテーブルを弄り手に触れた丸いものをチョコにダイブ。

もう冷えかかってきてるチョコはその丸いものを外気に触れさせれば、すぐにチョコボールが出来上がる。

「これ……さくらんぼかな?」

くすくすしてぺろ、っと雅から見えるように口元でぺろんと。

「戒くん……ほんま……変態」

やねん、と言う前に、自分だってそれがイイくせに、と。

にっこり満面の笑みを浮かべて俺はそれを拡げた雅の下の口に食べさせた。













「っっ……!!ぁっ」

有無を言わさず何個も何個も同じものを作って雅の中に挿しいれる。

つぷんつぷん、と中に簡単に飲み込まれ、そのたびに上から甘い声。

雅特有の掠れた声がセクシーで。

「すっごい、どんどん挿いるねー」

もう10個位入れたトコで、相手の表情を伺えば、微かに潤んだ瞳。

「阿呆っっ……もう、苦しいわぼけ」

第一これじゃ戒の挿いらんやん、なんて可愛い台詞。

立派に誘ってるのわかってる?

「ぇー…。大丈夫だって」

ほら、と言って強引に今までの体制から、今度は雅が下に。

ぐる、っと反転した身体に中のものがきゅうきゅうの納まってるソコは、巧い具合に雅のいいトコを掠ったらしい。

「んぁっっっ」

ひく、っと軽くいっちゃったみたいで。

「雅って本当変態だね?」

こんなさくらんぼいちご挿れられていっちゃうなんて、と囁いて口付け。

こんなの挿れてる俺も十分過ぎる変態だけど、なんて事は棚に上げて。

「俺戒以上な変態にはお目にかかったことあらへんわ」

こないなんでイカされた、とかありへねん、と言うその顔は実は楽しそう。

本当俺ら何気に相性良すぎるんじゃ。

「でも、俺まだ達ってないし、ちゃんと達かせてもらいよ?」

雅頑張ってね、と言ってぐいっと両足を肩に担ぐ。

「のわっっ!」

俺から雅のソコは丸見え。

もちろん雅からは雅自身もソコも見えるわけで。

ちろ、っと舌先を後孔に這わせればそこは甘い甘い味。

「やっぱ甘いね、ココ」

舌先を挿しいれくにくにとなぞる。

奥まで挿れると舌先に当たる丸い物体。

「……コレ、このままで挿れちゃおっか」

ちゅる、っと舌先を抜いて俺のを宛がい問答無用。

雅からの返事を待つ前に有言実行。

躊躇う事なく一気に貫いた。













「……戒くん、いくら変態でもな、やってエエ事と、あかん事あんねん」

それくらいわかるやろ、と何故か裸のままで正座。

一線交えた後の大惨事といったらそりゃ。

おまけにやっぱりあんだけ無茶したら雅のお腹は大変な事になってしまって。

かきだすだけでも重労働。

また、その間の雅の声やしぐさでムラムラきちゃってさあ大変って感じで。

「でもみー君も気持ちよかったでしょ?」

「そりゃもう、頭ぶっとぶかと思ったで、、、って今はそーゆー事ちゃうねん!」

自分で自分に突っ込みですかい、この関西男は。

まあでも今日はさすがに後の事が大変だったし反省してます、と。

「……もー…生ものつっこむのはやめてや」

はあ、とため息ついて手を上げる姿に、生ものじゃなきゃいい?と言ったら殴られた。

もう戒とはエッチもせえへんと言われた1時間後には今度はベットで普通にエッチしました。













その後






「アレ、流鬼また玲汰に殴られたの?」

翌日の仕事で見れば流鬼の頬にがっつりと殴られたというか、紅葉。

「うっせえ」

「……葵さんまた麗にのっかられた?」

アイツ重いべ?なんて言って会話してる下手二人。

見てみれば、腰を重そうに摩る葵さんの姿。

「戒くんはご機嫌だね」

さては雅さんからチョコもらった?なんて言われてにっこり。

「俺らは俺があげたよ〜」

でも食べたのは俺だけどvとにこにこ。






今日もガゼットさんは元気に破廉恥ですね。






End



〜あとがき〜



いやー。。。シリーズとなってしまった上に、戒雅が一番変態ちっくなバレンタインでしたね!(笑)

終わった終わった!二月中にバレンタインネタ終了――――!!!

戒雅なんて誰が読むんだと言っておきながらしっかりカキカキしてしまった。

葉月透夜