葵×麗



「玲汰〜今夜暇?暇だったら遊ぼうよ」






明日は俺が生まれた日だってのに、全然誘ってこないあの人。




俺だけが、気にしているのか、それともあの人が気付いてないだけなのか。






どっちにしろ、自分が悲しくなって






幼馴染を誘った。












ORANGE



















「マジ平気?」





少し困った顔した幼馴染。







それもそのはず。





後1時間もした日付を超えて、誕生日を迎える俺。






「うっさいなあ〜」






「ぜってい、あれ。葵さん怒ってるって」






根本的なトコで優しい玲汰は俺に付き合って流鬼との約束も変更して一緒にいてくれてる。





そして馬鹿みたいに酒を飲む俺の相手をしていてくれてるわけで。




「葵さんの性格からして絶対に一緒にいようとか言ってこないってわかるだろ?麗も」




「・・・・」





ったく、二人とも変なトコで頑固なんだから、と。





「でも・・・」






「でももなんでも、麗は葵さんのコト信じてやれねえの?」





「ぇ・・・」





少し考えるように顎に手をあてて言葉に詰まる幼馴染。




その姿は昔からよくみてきたものであって、もちろん自分も直ぐに反応を返すような人ではないから次に噤まれる言葉を待った。




「葵さん、麗の代わりはいねえ、っていっつも惚気てるらしいよ、流鬼に」








微かに赤くなるその玲汰の顔。






「だから、ちゃんと連絡とってやれって」






そう言われて携帯を指差される。







でもなかなか携帯に手をかけられずにいると、すいっと玲汰の口が近寄ってくる。






「・・・麗がいると、俺が流鬼に逢えねえ、んだよ」







だからな?と。







あー。。。この人達いつのまにそう言う関係になったんですか、と。




俺邪魔なんですか。






って玲汰の何となく出てる流鬼大好きオーラみてると葵さんに逢いたいし・・・とか。











『もしもし?』




『遅いねん』





携帯に話しかけたはずなのに頭上から降ってくる声。





「あ、、葵さん・・・」






「・・・なーんで玲汰誘うかな。麗は」





肩をすくめて苦笑しながらも、その口調は怒ってない。





「誰よりも俺が、いっちゃん・・・麗ん事好き、やねんからな?」




覚えときい、とぐいっと引き寄せられ耳元で囁かれた。





麗の代わりはいないねん、と






その言葉信じて







俺は強くなれる。










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